漢方とは - 処方 - 産婦人科①妊娠中の漢方

漢方薬は証を見て処方するのが原則ですが、妊娠中の漢方は
あまり証にこだわらずに 処方されることも多いのです。

妊娠初期の子宮出血は切迫流産と言われ、
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が処方されます。

流産の原因は、殆ど受精卵の異常であるために、薬で流産を止めることは
できませんが、出血を少なくする目的で使われます。

つわりがひどい時には小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)を使います。
顆粒状の薬は、一度お湯に溶いて冷蔵庫で冷やして、臭いを消してから服用します。

妊娠中、産後は肩こりや頭痛を訴える人も多いのですが、
葛根湯(かっこんとう)はよく効きます。

葛根湯はまた、授乳期の乳汁うっ滞や乳腺炎の初期には有効です。

妊娠中の花粉症には小青竜湯(しょうせいりゅうとう)がよく使われます。
鼻水や咳が出る風邪症状にも使われます。
痰が出る咳には麦門冬湯(ばくもんとうとう)を使います。

高熱が出て汗が出ない呼吸器感染症には、麻黄湯(まおうとう)が有効です。
気管支喘息の人は柴朴湯(さいぼくとう)をあらかじめ服用しておくと、発作を予防できます。

鼻詰まりは顔のツボ、印堂(いんどう)や迎香(げいこう)にエレキバンを貼ったり
通電すると通るようになります。

骨盤位の時は妊娠8−9ヶ月の頃、脚のツボ、至陰(しいん)や三陰交(さんいんこう)に
お灸をすると回りやすくなります。
腰痛や脚の痛み、肩こり、頭痛には指圧やマッサージが有効です。

陣痛の痛みを和らげるためには、
腹部や背中、腰部のツボの指圧やマッサージが効果的です。

大川 豊

 


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