表裏
「表裏(ひょうり)」の「表(ひょう)」とは、からだの表面をいい、
現代医学的にいえば、皮膚、皮下組織、筋肉などに相当します。
病気が主として表にあるものを「表証(ひょうしょう)」といいます。
「裏(り)」とは、からだの深部をいい、
現代医学的には、消化管、腸間膜などに相当します。
病気が主として裏にあるものを「裏証(りしょう)」といいます。
漢方では、たとえば風邪などの急性疾患では、病気はからだの外から入ってきて、
時間の経過とともに次第にからだの中に入っていくと考えられています。
はじめは頭痛、関節痛などで始まった風邪が、すぐ治らないと咳が出たり
食欲がなくなったりしてくるのは、病気が表から裏に移っていくためと考えられます。
秋田 治之