漢方Q&A - その他⑤漢方でよく言う「証(しょう)」とは?
「証」とは自覚症状及び他覚症状的所見から互いに関連しあっている症候を総合して得られた状態
(体質、体力、抵抗力、症状の現れ方などの個人差)をあらわす漢方独自の用語で、
通常は処方名で表され、治療の指示(処方の決定)につながります。
言い換えますと、からだが病気とどんな戦い方をしているかをみるもので、
体質や抵抗力、病気の進行度などをあらわします。
漢方では、その時のからだの状態を次のような観点から判断していきます。
例えば、冷えや寒さなどを感じているのか、ほてりがあって暑がっているのか。
体力があり、病気に対する抵抗力がある状態なのか、体力が低下していて病気に対する抵抗力が弱い状態なのか。
風邪の場合には、かかったばかりなのか、かかってから何日か経過して胃や腸の具合も悪くなっているのか。
このようにからだ全体の状態をつかみ処方(薬)を決定することを「証をみる」とか「証を決める」と言います。
漢方医学的に「証」が合えば、西洋医学的には異なる病名であっても、同じ処方を使用することが少なくありません。
漢方では「証」に合った薬を使うことによって病気を治します。
ですから、医師に診断してもらう時、または薬局で薬をお求めになる時は、
できるだけ詳しく症状をお話ししていただけると、からだに合った薬を服用することができます。