漢方は自己治癒力を強化する

漢方処方の多くは、心身全体と局所(部分)のバランスを調え、自律神経系を調整して心身を活性化し、体質や体調を改善して自己治癒力を強化するように働きます。適切な使い方さえすれば、西洋薬より副作用が少ないのも事実です。

一方、西洋薬は、病気を直接的に抑え込んだり、症状を素早く改善させるような成分が多く、短時間で目立った効果を期待できます。しかし、作用が強いため、長期間服用すると副作用の危険があり、薬をやめるとかえって悪化することもあります。

いずれにせよ、「心身の変調や病気を本当に治す」ためには、どんなに強力な西洋薬を使っても、最終的に自分でなおそうとする力、つまり「自己治癒力」の助けが欠かせません。

このように、漢方薬と西洋薬には異なった特徴があるため、どちらかだけを重視するのではなく、互いの長所を生かして、個々のケースに応じて上手に使い分けることが大切です。

池田書店刊「女性のための漢方全科」(石野尚吾著)より

 


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