小児科

西洋医学的治療には、病の進行(病期・病位)に合せて薬を使い分けることは殆どありません。
一方、小児の漢方治療では、病期を六病位に分けた漢方薬の使い分けがあります。

しかし、小児の急性疾患では、症状の変化が早く、
そのスピードに合せた臨機応変な対応が必要です。

また、小児では、全体重に占める体水分の割合が高く、
成人と比べて水代謝の影響を受け易く、多飲による水肥りや水滞・水毒を生じ易く、
逆に熱中症など、発汗過多による脱水症も生じ易くなっています。

よく小児は、伸び育つ木、老人は枯れて行く木に例えられますが、
何れも両者には、水分調整の管理に十分留意が必要です。

小児科ではこれまで余り漢方薬を処方していない傾向にありましたが、
最近は漢方治療に関心を持つ小児科医が増えています。

小児を漢方で治療する際の留意点を以下に挙げます。

漢方治療の適応疾患
1.内科的な疾患
2.風邪など主にウイルス感染
3.軽度の喘息やアレルギー性疾患
4.虚弱体質や虚弱児
5.軽度の火傷や痔、軽症の嘔吐・下痢・熱中症での脱水症

漢方治療には不適な疾患
1.明らかな外科的な疾患
2.細菌感染症:結核、溶連菌感染症、髄膜炎など
3.ウイルス感染でも急性増悪が予想される場合(髄膜炎やインフルエンザ等)
4.痙攣や喘息の重積発作
5.中等~重症の脱水症
6.緊急事態が予測される場合など

一般的に小児の腹証をとるのは難しいことが多いのですが、
例えば胸脇苦満は気管支炎など咳が強い時と回復した時とを比べて自得すると良いでしょう。

また、小児を漢方好きにする為にも、かつ小児の病気に適応範囲が広く、
あるいは困った時などに、先ず小建中湯(しょうけんちゅうとう)を与えて
症状の変化を見るのも一つの手です。
本方は虚弱体質の改善等にも役立ちます。

詳しくは、小児科診療73巻3号 崎山:小児疾患の漢方的診かた p.353~360、
崎山:虚弱児・肥満児 p.392~396 をご参照ください。

崎山 武志


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