秋の養生 / 久保田 達也先生

近年、血液がドロドロになって血管が詰まらないようにと、水を沢山飲んでいる人が多くみられます。一日に2Lもの冷水を飲むといいます。

暑い夏は汗が多く出ますのでそれでも良いですが、秋になって寒くなっても同じ事を続けていていませんか?

その結果、或る患者さんは排泄の回数が12回となり、夜間3回は目が覚めてトイレへ行きます。
昨年よりも手足が冷えて足の浮腫も目立ちます。食欲が無くなってお腹が冷えていてガスも溜まっています。

漢方医学では身体に不自然に水が溜まった状態を『水毒(すいどく)』といい、様々な病気を引き起こす万病の元とされてきました。

これは単な単なる浮腫ではなく西洋医学には無い概念です。特に高齢者の体内水分量は元々少なく、腎臓の働きが低下しているので過剰な水分摂取で容易に水毒状態となります。

日本は海に囲まれ湿気の多い国であり、乾燥した大陸性気候の中国と違って水分過剰にとなりやすいのです。

他国の医学を盲信するのではなく、日本人に合わせて発展してきた日本古来の漢方医学の知恵を現代に生かしたいものです。

水分はほどほどに、少なくとも温かい飲み物で少しずつ補給しましょう。

 

 


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