冬の乾燥と皮膚炎 / 二宮 文乃先生

秋から冬を中心に高齢者の乾性皮膚炎が多くみられます。

下肢の外側から始まり、徐々に上へ増加し、お尻や腰、背中までカサカサしてかゆくなり、やがて全身に広がります。

これは最表の角質層中の皮脂と水分が減るため衣類でこすれたり、掻いたりして、やがて湿疹化し、皮脂欠乏性皮膚炎となります。

高齢者以外でもアトピー性皮膚炎の冬期乾燥型や常時皮脂不足の皮膚症状のある人は、皮表を潤す事が必要になります。

漢方では代表的な処方に当帰飲子があります。

これは冷え症で余り体力がなく、ぶつぶつした発疹がみられず、ふけのような落屑がある皮膚炎に使われ、よく効きます。

体力の強い人は乾かないので、使う目標は所謂虚証で冷えて痒みのある人です。

高齢者では腰や足が冷えたり、排尿がうまくいかない、だるい、などがある時は、八味丸を併用することもあります。

日常生活の注意点としては、
①脂肪分を除くような入浴は不可、石鹸を過度に使用したり、垢すり、熱いお湯(四十二度以上)に入ること、硫黄入りの入浴剤の使用などは不可です。

②冬期の暖房:室内は乾燥しやすいので加湿する方法を考えます。(昔の火鉢は炭火の上に鉄瓶などをかけ、常に蒸気が出ており寒いですが合理的でありました。)

③入浴後、直ちに保湿剤や乳液を塗ること。

等が挙げられます。

 

 


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