漢方Q&A - 漢方薬について⑤ドクダミなど民間薬との違いは?

昔から知られているドクダミ、現の証拠、千振、と言ったものは、みな民間薬です。

民間薬とは、江戸時代に時代劇でお馴染みの水戸の御老公が穂積甫庵と言う医者に「救民妙薬」と言う本を書かせたのですが、この本の序に

大君が私に命じていわるるに、田舎で貧しい暮らしをしている人たちの所には、医者も居なければ、薬もなく、これらの人々が一旦病気になると、自然に治るのを待っているだけである。そのため、不治に終わるもの、死ぬるもの、生涯の廃人となるものなどがある。これらは皆、天命でなく非命である。
そこで、これらの人々を救うために、簡単に用いる事の出来る薬を集めて、これの使用法を書いてみるようにとのことであった。

そこで私は身辺にある、手に入りやすい薬を集めて197方に編んで、救民妙薬と名付け、山間僻地の人々に与えることにした。
もしこの本が救民済世の一助ともなれば幸いである。

と書かれております。

ここで大切なのは一般大衆が医師の指導に依らないで、素人判断で用いる民間伝承の薬ですから、入手が容易であること、用いて危険の無いことが必要ですね。

あくまでも安全な薬だということです。

洋の東西を問わず、現代で用いている薬の中には民間薬より生まれたものが数多くあります。
ジギタリスやアヘン、アスピリン等馴染みのものも多いのです。

漢方薬でも発展土台は当然民間薬より始まった訳です。従って材料だけから考えると区別の付きづらい部分もあります。

強いてこれを区別するとしますと、民間薬は、例えば現の証拠だけを煎じて飲むといった単味の使い方をします。

しかも先程お話ししましたように素人判断で用いても安全な薬だということです。
漢方薬の方は発展する段階で幾っかの生薬が配合され、使用上の目標が限定されてきています。

例えば、葛根湯という名前が付けられていますが、葛根(これは葛切りに使う葛の根ですが)葛の根だけを煎じた薬ではありません。
葛根、麻黄、桂枝、芍薬、大棗、生姜、甘草、と言った7味の生薬から構成されています。
この構成生薬から麻黄と葛根を抜くと桂枝湯と言う名前に変わります。

実は葛根湯と桂枝湯では薬効が大変に違います。
葛根湯に含まれている麻黄はエフェドリンと言う喘息の治療薬として用いる成分が入っていますし、鎮痛作用のある成分も含まれております。
従って桂枝湯よりも葛根湯の方が体力も症状も強い人に用います。

漢方薬が発達するのと同時に此の薬をどのように使えばよいかというノウハウも蓄積されてきて、漢方流の診断法が確立されてきました。

回答)石川 友章
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漢方薬と民間薬はともに生薬を使用し、何らかの薬効があり、古くから伝統的に使われてきたという点では同じです。

しかし、漢方薬は漢方医学の理論に基づいた処方の構成がなされており、原則として二種類以上の生薬が配合され、製法・用法・用量が決まっています。

一方、民間薬は伝承的・家伝的な薬で、概して一種類の生薬からなり、用法・用量も詳細には決まっていません。

例)漢方薬: 葛根湯、八見地黄丸、当帰芍薬散など。
民間薬: ドクダミ、センブリ、ゲンノショウコなど

病院で処方される漢方薬の半数以上は、二千年前に書かれた傷寒雑病論という医学書に書かれている処方を基づいており、いくつかの生薬の組み合わせで創られています。
そしてその量や割合、そして作り方や飲み方まできちんと指示されています。
 
最近、様々な商品に「漢方○○」や「○○カンポウ」というように、様々な商品のネーミングに用いられています。
しかし、なかには漢方のイメージだけを利用し、漢方薬をほとんど含まない商品も少なくありません。ご購入前にお近くの漢方専門医にご相談下さい。

なお、民間薬を常時飲用している方から、漢方薬との併用について質問をいただきます。
漢方治療を受ける際には、民間薬の種類にもよりますし、サプリメントや他の西洋薬と同様、どういうものを利用されているか漢方医にご相談ください。

回答)旧 ホームページより

 


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