漢方と食 / 石川 友章先生

昔から漢方では医師を4つの専門医に分けています。

食医(食事療法医)疾医(内科医)瘍医(外科医)獣医(軍馬、牛などを治療)の順で、食医が一番格の高い立場にあります。

人は飲食で生命を維持しております。奇しくも、西洋でも昔、食医、疾医、瘍医の三種類の医師が存在したといわれております。

食の問題は、古今東西を問わず、重要であります。

わが国では、戦後食に関する基準がいつの間にか薄れ、栄養学上良しというものは何でも取るという傾向になりました。その結果、メタボリック症候群などといった奇妙な病気が流行ることになりました。

日本では元来、食を大切にしており、食養という考え方があります。
食により身体や精神を養っていこうというものです。

当たり前のことですが、人間は食べること、飲むことで生命を維持しております。生命を維持する上で、一番大切なことが、食養生といっても過言ではありません。

漢方の食に関する考え方は、病気になったときや、普段の食べ合わせに関して、注意を促す食禁が主流です。例えば、風邪を引いた時はねばねばしたものや青椒肉絲等の消化の悪いものを食べてはいけないとされています。

食養に関しては多くの流派が存在する様ですが、今ヨーロッパで注目を浴び、日本で流行り始めているマクロビオテックの起源は明治時代の陸軍薬剤監であった石塚左玄の「通俗食物養生法」に求めることが出来ます。化学的に食品を考え、NaとKのバランスを考え、夫婦アルカリ論をベースに玄米菜食主義が述べられております。この考え方に東洋思想を組み込んでヨーロッパに広げたのが桜沢如一であり、マクロビオテックの元祖といえます。

人間は食べ物の性質により、影響を受けるので注意すべき事だと思います。

旧ホームページより
 

 


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