漢方治療を選択するということ / 川越 宏文先生

「あなたは健康ですか」と尋ねられた時、どう答えますか?
多くの方が、「いちおう、それなりに…」と答えられるでしょう。

では、「風邪を引いた時に、どうされますか?」と聞かれたらどうでしょうか?
ある人は、「病院の医師の診察を受ける」と、またある人は「薬局で薬を買う」と、なかには「自宅で安静にして」と答えるでしょう。

さらに、最近新たな選択肢が加わったことをご存じでしょうか?
それは、「コンビニで薬を購入する」という答えです。

インターネット販売規制などの話題豊富な改正薬事法では、一部の薬剤がコンビニで販売されることになります。一日中忙しくて病院や薬局にいく時間のない方にとっては便利かも知れませんが、果たして薬が薬としてきちんと管理されるのか、重大な副作用問題が発生しないのか、少し心配です。

漢方を専門とする多くの医師は、漢方のたくさんの薬効を使い分ける一方、副作用の防止に努めています。

一般的に漢方薬には副作用がないと思われがちですが、薬理効果を持った薬剤である以上、使い方を誤ったり、体質が合わない場合には何らかの不都合な症状を来すことはあるのです。

なかでも、『間質性肺炎』という副作用には注意が必要です。これは息切れや空咳などで出現する肺炎で重篤な場合は生命の危険もあります。

そのようなことを防ぐには、胸部のレントゲンや血液検査さらに医師の診察をきちんとお受けいただくことが重要です。

安全で安心、そして有効に漢方を利用したい方は医師の診察をお受け下さい。
 

 


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